メキシコのシルバー職人の真髄「それぞれの限られた環境の中で作業に没頭」

これまで身近にあったモノの"ほぼ全てを一度手放す事"になりました。ここから物事をシンプルに考えるようになる…というより、一時的に思考が変わり今できる事を着々と進めようと…。カゴ一つ手に持ち、山奥にある工房に足を運び、自然の中でアクセサリー職人として「これまでと同じように作業に没頭する事」。モノが溢れた中に居た頃の安心感も懐かしく、失ったモノもありますが、何かを"そぎ落とす事"で視野が広がり、多少なり思考も変われば行動も変わる…、これも、ごく当たり前の話で自然現象とも捉えることができます。


・山奥の作業場、メイキング風景

・四季を感じる物撮り

・メキシコジュエラー(職人)の真髄

・これまでの経緯


カタツムリからナメクジに進化…それからヤドカリ思考へと変わる

何度か私の道筋に当てはめながら「カタツムリとナメクジの進化」に例えて色々と触れてきましたが、また別角度で今の現状を例えるなら「ヤドカリ思考」とも言えます。カゴ一つあれば山の工房と郊外を行き来できる事。場所問わずアクセサリー制作に没頭できる事。宿を変えながら、動きまわるそのサマはヤドカリのスタイルに近いです。


その中で撮影したアクセサリー、制作する過程や景色であったり様々ですが、ご覧頂けたらと思います。


春夏は明るい緑色に包まれます。何かを「そぎ落とす事」で物事の「裏と表」を知る?全ては表裏一体?

よもやま話

ヤドカリは「宿を借りて生活」という、ありのままのネーミングですが、立派な貝殻に包まれたヤドカリは防御策でもあり借り物の貝とは言え、ある種の武装です。


貝の存在ありきですが、寄生する事とも違います。彼等は貝殻を活用する。これも彼等の進化の過程、経験によって見出した知恵なのでしょう。


貝は殻と一体化しているため、常に"それ"を背負う必要があり、完全なる所有者です。いずれの生き方も、リスペクトする前提で貝とヤドカリを自分に当てはめるならば、以前の私と今の私…といったところでしょう。私としては、また工房と共存して生きる未来を想い描き、目標にしております。


自然の中で黙々とアクセサリーやアートを制作する

大きめな機材さえ、行く場所に設置してしまえば、他の装備はコンパクトにまとまるので割と身軽です。その時その時、必要な道具を揃えて移動します。さらに山奥での作業は四季を堪能できる点。撮影した際も、植物の色合いの変化や自然のリアルな風景が写し出される。自然の中で育った植物、或いは人が植えて育てた植物等。南国の植物も四季に合わせて独特な色合いをみせます。


メキシコジュエラーの真髄を受け継ぐ事

温暖なメキシコとは異なり、私の作業場は冬の奥多摩や山の奥地。気温はマイナスにまで下がるため、防寒対策も必要になりますが、ここならではの景色や静けさに風情を感じます。時には野生の鹿と遭遇したりと、自然と向き合える貴重な体験です。山奥と街…、対照的ですが、いずれの利点も感じています。


メキシコの素晴らしい技術…そして一番影響を受けたのは職人としての在り方や気持ちの面


これまで私が関わってきたメキシコ現地のジュエラー(職人)等も限られた環境の中で工夫し素晴らしい作品を生み出し続け、世界に届けています。ハングリーとも見られる環境ですが、彼等はとても生き生きとしている。技術的な部分は勿論、気持ちの面でも大きな影響を与えてくれました。


そんなメキシコ現地の光景や職人の世界について、少しでもお伝えしたい想いです。


四季を感じる物撮り風景やアクセサリーのメイキング風景

アクセサリー制作のメイキング風景や四季の変化を映し出す物撮り。秋冬はモダン、春夏は温暖でビビットなイメージであったり、これまで自然の中で撮影してきた風景をまとめ、改めて自分自身の目で確認してみると様々な気付きがあります。


アクセサリー制作をしながら、山奥で釣りもしています。東シナ海で釣りは奥多摩の渓流、または対極で豪快な釣行です。地域問わず、人との交流からアクセサリー制作にも繋がり、次なる作品に生かされていきます。自己満足も含まれますが、自分のやってきた痕跡、その中でアクセサリー職人としてお伝えできる事、ほんの小さな豆知識なども、ここで記載し、僅かでも残していこうという考えに至ったのです。


「経験と知恵」アクセサリーや様々なアートに込められた深い意味合い

火災でこれまでの作品を殆ど失いましたが、頭の中の記憶から、無事遺った作品の復元や修理等を行う。去年から着々と進めております。「様々な教え」の中にあるように、経験と知恵が財産であり、大切だという事に気づかれます。例え"微かな経験や知恵"であったとしてもですね。繰り返し同じように、または、これまでと違ったカタチで活かす事もできる。それも良い意味で変化してゆく。


アクセサリーの意味合いも、長い歴史の中、人間の経験や知恵に基づいて語られているような気がしてなりません。


アートやモノ作りから見えてくる先のビジョン

火災当初はショップや工房内にあった目に見えるモノの全てを失ったような感覚でしたが、実際はそうでもなく、今までの交流や記憶はハッキリと残っており、それは先に繋がる事。人からの支えがあり、それに対しての私の気持ちは何度言葉にしても足りないくらいです。


不器用ではありますが、まずは言葉に表せない気持ちを作品に投影させる。交流を重ねながらアクセサリー職人として出来る事をやり、シンプルにお応えしてゆく。そして、人それぞれの心の中に秘めたビジョンを想像し…カタチにしていく。


同志と共有する事や共感の想いであったり、モノ作りの裏側、拘りやエピソード等も、私達にとって貴重な体験や経験となり、記憶に刻まれていきます。


一つの作品づくりから始まり…やがて広い世界観が生まれる

近寄りがたい店として夜な夜な30年もの間、君臨し続けてきた隠れ家「ハッピーカンパニー」。そんな中訪れてこられた方々。そして、交流のあるアーティストやクリエイターの方々、アパレルやショップのスタッフの方々。そこから展開されるアイテムは、モノというよりも世界観であったりと、広い視野で考える事ができます。そして、人同士が交わり、一つ一つの作品やストーリーを生み出すキッカケをつくっている…


現在は重点的にオンラインでのやり取りに切り替わっておりますが、これまでと同様、アクセサリーのオーダーメイドやカスタマイズ、メンテナンスや修理に力を注いでおります。


これまで交流のある方と直接対面でお会いする機会が減ってしまいましたが、対面とオンラインを併用し、いずれ良さや有り難みを改めて実感しています。


ハッピーカンパニー福生の"これまでのあらすじ"
東京福生を拠点にしたショップ内の工房でアクセサリーを制作し続け、31年目をむかえたハッピーカンパニー。1991年に開業し、その間、世界有数の銀の産地メキシコ・ゲレロ州"タスコ"を旅しながら現地のジュエラー(職人)と交流。そこで多くの作品に触れ、タスコで入手したアクセサリーの数々を公開してきました。タスコの工房で学んだ経験を元に母国日本で自身の作品も展開。ハッピーカンパニーならではのエピソードや職人の日常、アクセサリーに関連した話や豆知識などを発信しています。

2022年1月の火災で建物内のショップと工房が全焼し、それから暫くして山奥に工房を確保。山と郊外を行き来しながらハッピーカンパニーと過去のアクセサリー(メキシコヴィンテージ等)を復活、復元させるための作業を進行中です。
周囲の方々と閃いたアイディア、この一連の流れを「フェニックス計画」と名付け、それを心の支えにしながら数々の作品をリバイバル、そして新しいアクセサリーのラインナップも公開中。"国"を問わずアクセサリーやアートを通じて交流を深めながら様々なオーダーやご要望にお応えしております。

ここは自他共に認めるアクセサリー好きが築き上げた「小さな隠れ家」

メキシコアートやアクセサリーが揃う「ハッピーカンパニー」

現在、年内にハッピーカンパニー福生「期間限定オープン」を考えており、まだ開催日も未定で模索中の段階ですが、こちらの記事に内容を記載。尚、これまでの作品やメキシコヴィンテージ、そしてリバイバルされた作品の数々を展示する予定です。


ハッピーカンパニー期間限定オープン


HAPPY COMPANY
小倉 盛人