
2021年1月、福生で新年早々、大火災によって建物が全焼。それは、開業30年が経過した後。ジュエリーショップ・ハッピーカンパニーはこの火災で一瞬の間で全て、いや…目に見えるモノは焼き尽くされたと思われた。
当初は一瞬の出来事で、そのように覚悟したのは確かであり、その後、ふと感じたのが、これまでの記憶やアイディアが辞書のように心の中に残っている事。それは目に見えない大切なもの。
人との会話や、教え、楽しみながら雑談した内容の中から今後引き出していく。
異空間の店内が、また別の異空間へと変わり果てた
職人としての作業や日頃のルーティンは不思議な事に、火災前と変わらず。今までと異なる作業は増えたが…。特に店内を掘り起こしたりする作業は肉体労働であり、根気は必要かもしれないが、充実感はある。その中で個人的に多く気付きを得ることができた。
これまでの交流、そして、これからの交流、気持ちや想いを日々、共有している方々に向けて、また新しい新しくハッピーカンパニー(ジュエリーショップ)を再生させようと、すぐさま決意することができました。
ビビットなカラーの店内がモノトーンになってしまいましたが、また染め上げていくことにします。
現在、ジュエリーライナップを制作中
ショップは燃えてしまいましたが、取り急ぎ工房を確保し、今も尚、アクセサリーのオーダーや修理などを承っております。
困った事があれば、またご相談ください。
これまでと同様、作業に没頭しながら、ハッピーカンパニー復活にむけて歩み出しています。
変わらぬ作業、ポイントにフォーカスしてみると視界はジュエリーに一点集中。人の手に渡ることを想像し、末長く愛用していただきたいという想いも変わらず。
ショップでの活動は休止中ですが、仮の工房を確保できました。
品質が大切なのは言うまでもありませんが、今回あらためて感じたのが、自分自身にもストーリーがあるように、一人一人が様々な想いの中、作品をオーダーし、身につけているという事。
その人自身の拘り、意味合い等、アクセサリーの存在価値は個々の心の中にあるのだと。
実際の現場で驚いたのが、予想以上に雑貨も原型が残っているので、ベースのデザインを生かし、これから少しずつ修理や表面処理、塗装などを施せば、またいい感じになりそうです。
あれから日々、進めてきた火災現場の掘り起こし作業ですが、500キロずつ運び、これまでで、おそらく土の重量は感覚的に1トンにも及ぶ量。積み重なった袋は、まるで怪しい巣のようだが、ふるいにかけて何が排出されるのか?
普段当たり前のように身近にあったアクセサリーも見え方が異なり、また別物の価値。
燃えた現場の中、奇跡的に、ありのままのカタチを保ったアイテムも存在
この変わらない安心感。それとは裏腹に原型を保ちつつも、姿を変えてしまったアイテムも存在。しかし、その骨組みや粉砕されたパーツも、また見え方が異なり、元に戻したいという感情が湧く。
今まで古いシルバーアクセサリーや、ビンテージを修理してきましたが、これから私のやるべき事は主に復元作業や新店舗の準備。
記憶から復元させる…。或いは進化させて、また別のカタチにしよう…等と新しいインスピレーションが湧く。これもまた新たな発見と言えるでしょう。
カスタマイズのアイディアも無限に広がっていく
これで少なくとも10年分、30年分のアイディアが排出されます。
現在、アーティストやクリエイター、アパレルの方々と打ち合わせし、新作のアイテムを制作中。
ハッピーカンパニーを含む建物が火災によって全焼